わたしがこの言葉を意識し始めたのは、
10代の頃のこと。。。
学校の先生へハガキを書いているとき、
”お体に気を付けてください”という文章を
母から指摘されたのがきっかけです。
「この場合、”お身体”の方がふさわしいよ」
当時は、”あっそうなんだ~”と
それほど意味を気にしていなかったのですが、
大人になって社会で働くようになったとき、
言葉や文章の違いを知っておくべきだと、
そう思い調べてみたことがあります。
”からだ”という漢字は色々ありますが、
違いについて説明することが
できるでしょうか?
今回は、よく使うことのある、
「体」「身体」「躰」の漢字の違いについて
ご紹介したいと思います。
この違いについて知っておくと、
目上の人への手紙やあいさつなどで、
とても役立つと思いますよ。
体・身体・躰の違いとは?
まず、それぞれの読み方をみていきましょう。
- 「体」→「からだ」
- 「身体」→「しんたい」
- 「躰」→「からだ」
みなさんもお分かりの通り、
訓読みではこのように読まれますよね。
特に、「身体」に関しては文章によっては、
「からだ」と読まれることもありますが、
テストの問題で常用漢字でと書かれていたら
「しんたい」と書くのが正解になります。
ちょっと悩むところでもありますが、
「身体」の「身」の漢字の意味について、
見ていきましょう。
「身」とは、、、
- 生きている人間のからだ。身体。
- わが身。自分。
- 何かやろうとする心。誠心。
「装飾品を身に付ける」
「身を犠牲にする」
「身の程をわきまえる」
「人の身になり考える」など、
地位・身分・立場などの心情について
使われていることが分かりましたね。
では、「体」「身体」「躰」の3つの漢字は、
どこの部分なのか違いを見ていきましょう。
1.体はどこの部分?
良く使う「体(からだ)」という漢字は、
外から見たそのままのものを意味します。
例えば、、、
◆体が痛い
◆柔らかい体
◆体を鍛える
手、足、胴体、頭などをひっくるめて、
使っているのが「体」という漢字です。
2.身体はどこの部分?
では、「身体(しんたい)」はどうでしょう。
頭、胴、手足など肉体全部をまとめた言葉
と書かれていますがほぼ同じ意味で、
国語辞典でも「体」と「身体」の意味は、
同じ部分であることが書かれていました。
からだの部分は同じであっても、
先程ご説明した意味や使い方によっては、
「体」と「身体」いう漢字には大きな違いが
あることが分かります。
3.躰はどこの部分?
こちらの「躰(からだ)」も同じく、
「体」と「身体」の漢字と同じ場所を
示していることが分かります。
◆からだ、全身。
◆かたち、様子、ありさま。
◆身に付ける。
などの意味を持ちますが、
一般的には二字熟語でよく使われています。
MEMO
もともと「躰(からだ)」という漢字は、
「體(からだ)」の俗字と言われています。
「體」は、「体」の旧字体なんです☝
「おからだに気を付けて」はどの字が正しい?
これまでの意味や使い方を知ると、
「おからだに気を付けて」はどの漢字が
正しいのか分かってくると思います。
ですから、この文章に一番相応しい漢字は、
「お身体に気を付けて」ですね。
もちろん「体」でも間違ってはいませんが、
公的で改まって使う漢字としては、
心情について伺う「身体(からだ)」の方が
相応しく礼儀正しいと思われるでしょう。
常用漢字としては間違った読み方ですが、
こうした文章については、当て字として
「身体(からだ)」と読むこともあります。
この記事でもっと言葉の違いについて、
知っていきたい思った人はこちらもオススメ💛
→「辞典・事典・字典の違い!正しい使い分けとは?」
まとめ
漢字には音読みと訓読みがあったり、
同じ読みで違う様々な漢字があったり、
使う場所や意味で大きく異なることが
分かったのではないでしょうか。
それぞれの意味をまとめると、
- 体→おおまかに体全体を示す
- 身体→心情を現わすときに使われる
- 躰→一般的に二字以上の熟語で使われる
今回は「お身体に気を付けて」でしたが、
知ると知らないとでは目上の人や上司に
”こいつは知らないな~”なんて思われても、
仕方ないことかもしれませんね。
もしも、これから文章や手紙を書くときに、
その漢字は合ってる?相応しい?なんて、
確認してみてはいかがでしょう。