『思う』『想う』『念う』『憶う』。
どれも読みは「おもう」で同じですが、
正しい意味をご存知でしょうか?
実はこの4つ、全部違うんですよ(;><)
…日本語っておそろしすぎます。。
でも違う言葉である以上、
正しく使い分けないとですよね!
というわけで今回は
『思う』『想う』『念う』『憶う』の違いを
調べてみました。
- 思う・想う・念う・憶うの違いとは?
- 常用漢字はどの「おもう」?
- 使い分けるポイント!例文を解説
について詳しくお話しします。
わかりやすい例文をご紹介するので、
使い分け方も合わせて勉強しましょう!
思う・想う・念う・憶うの違いとは?
『思う』『想う』『念う』『憶う』ですが
実は辞書的な意味は同じです。
【思う/想う/憶う/念う】
- ある物事について考えをもつ。考える。
- 眼前にない物事について、心を働かせる。
- 願う。希望する。
- 心にかける。心配する。気にする。
- 慕う。愛する。恋する。
- ある感じを心にもつ。感じる。
- 表情に出す。そういう顔つきをする。
(引用元:コトバンク)
ですがニュアンスに違いがあり、
細かく使い分けられています。
まずはそれぞれの意味と語源を
みていきましょう。
1.思う(おもう)の意味・語源とは?
『思う』は一番スタンダードですね(^^)
物事について考えたり
感想をもったりすることですね。
『思う』はどんな感情であれ、
心の中で感じたこと全てに使うことができます。
「思」は田+心と書きますよね。
「田」は幼児の脳を模した漢字で、
「心」は心臓を意味します。
つまり『思う』の語源も意味も
「頭と心で感じること」そのものです。
2.想う(おもう)の意味・語源とは?
『想う』もまぁまぁ使う漢字ですよね。
たとえば「大丈夫だと思う」よりは
「大丈夫かと心配に想う」のように、
強く気持ちをこめたいときに使います。
『想う』は「相」と「心」からできています。
「相」は木を対象として見るという意味があり、
これに「心」を合わせて
「ある対象のことを心で考える」という
ニュアンスになりました。
頭と心で考える『思う』よりも
強い感情がこめられた漢字というわけです。
3.念う(おもう)の意味・語源とは?
『念う』は「深くかみしめる」
というようなニュアンスで使われる漢字です。
たとえば「神仏を念う」といったように
頭でも心でもなく一心に願うときに使います。
「念」には心を1つのことに集中する
という意味があり、
ここから一心に願う『念う』になりました。
4.憶う(おもう)の意味・語源とは?
『憶う』はかなりレアかもです(;^^)
でも「記憶」という言葉で
意外とよく使っている漢字ですよね。
『憶う』は「記憶」と同じで
忘れないでいることや思い出すときに使います。
「憶」という字自体に「記憶」の意味があり、
ここから思い出を憶うという意味になりました。
常用漢字はどの「おもう」?
『思う』『想う』『念う』『憶う』は
それぞれニュアンスが違いますが、
常用漢字はたった1つ。
『思う』だけです!
そのため公用文や新聞などでは
どのニュアンスでも『思う』を使います。
使い分けるポイント!例文を解説
常用漢字は『思う』だけとはいえ
せっかく4つもあるんですから、
使い分けたいですよね(^^)
使い分けのポイントは
「どんな気持ちをこめたいのか」。
いくつか例文をご紹介しますね。
『思う』の例文
- あの計画は失敗すると思う。
- あの子かわいいなと思ったんだけど、
性格キツそうかも。 - 今日はのんびりしようと思う。
『想う』の例文
- 彼女のことを想うと夜も眠れない。
- 愛犬をとてもかわいく想っている。
- あなたの健康を想って言ってるのよ。
『念う』の例文
- 神仏を念う。
- お墓参りにいけないので
せめて1日1回はご先祖様を念う。 - うまくいくように念っているよ。
『憶う』の例文
- 楽しかったあのころを憶う。
- あの日の彼女の笑顔を憶う。
- いつか今日という日を憶って
涙するだろう。
まとめ
いかがでしたか?
『思う』『想う』『念う』『憶う』ですが
実は辞書的な意味は同じです。
しかしニュアンスに違いがあります。
- 思う:
頭と心で感じることそのもの - 想う:
ある対象のことを心で考える
- 念う:
頭でも心でもなく一心に願う - 憶う:
忘れないでいることや思い出すときに使う
使い分けるときはご紹介した例文を参考に、
「どんな気持ちをこめたいのか」
を考えるとわかりやすいです◎