『併せて』と『合わせて』の
正しい使い方と違い、わかりますか?
この2つ、実は公用文や行政文書では
厳密に使い分けられている違う言葉です。
でも…私は行政書士をしているくせに
正直いつも「この場合どっちだっけ?」
って悩んじゃうくらいあいまいです(-_-;)
「こちらもあわせてご確認ください。」
などよく使う言葉なのに、
このままではいけませんよね!
というわけで今回は、
併せてと合わせての違いを調べてみました。
- 併せてと合わせての違い
- 公用文ではどっちを使う?
- 確認をお願いする時はどっち?
について詳しくお話しします。
大人として正しい言葉遣いは
とっても大切です。
これを機にしっかり勉強して、
一緒に”あわせてマスター”を目指しましょう!
併せてと合わせての違いとは?
そもそも「併せて」「合わせて」って
具体的にはどんな意味なのでしょうか?
辞書には
『あわせて・合わせて・併せて』と
まとめて載っていることが多いです。
1 (副詞的に用いて)総計して。全部で。「参加者は―五〇〇名」
2 (接続詞的に用いて)その上さらに。同時に。「新年のおよろこびを申し上げ、―皆様の御健康をお祈りいたします」
(引用元:goo辞書)
でも厳密にいうと
微妙なニュアンスが違っています。
1.併せての意味とは?
『併せて』は異なる2つ以上のものを
一緒にするという意味です。
- ミカンとリンゴを併せて箱詰めする。
- Aくんの作品とBくんの作品を
併せて同じ机に飾る。
英語でいうとmixに近いイメージで、
「並べる」というニュアンスもあります。
ミカンもリンゴも
どっちが主役というわけではなく、
ただ一緒に箱に入れる感じですね。
2.合わせての意味とは?
これに対して『合わせて』は、
2つ以上のものをくっつけるという意味です。
- 鏡餅にミカンを合わせて飾る。
- AくんとBくんが力を合わせて
1つの作品を作り上げた。
英語で言うとfitに近いイメージで、
「協力」というニュアンスもあります。
『併せて』との違いは
基準となるものがあるかどうか。
例文だと鏡餅が基準となり、
そこにミカンをくっつける感じですね。
併せてと合わせて!公用文ではどっちを使う?
とまぁそれぞれの意味と例文を
お話ししましたが…
実際使い分けるのは難しいですよね(-_-;)
そのため公文書では
使い分けルールが決められています。
- 「一致させる」という意味の動詞⇒合わせて
- 「並行して」という意味の副詞⇒併せて
- 接続詞の場合⇒あわせて
たとえば、
「A村とB村を合わせてC村とする」
「C村役場の建設業者として、
D建設会社とE建設会社の案を
併せて検討する」
「あわせてC村長選挙日程も
できるだけ早く検討する」
と書くわけです。
迷ったら「一致させる」「並行して」などに
置き換えてみると、わかりやすくなります。
併せてと合わせて!確認をお願いする時はどっち?
日常生活で「あわせて」とよく言うのは、
『こちらもあわせてご確認ください。』
というときかなと思います。
この場合の「あわせて」はどっちでしょうか?
さきほどの公用文のルールを思い出して
ちょっと考えてみましょう♪
…
…
…答えは出ましたか?
…ファイナルアンサーですか??
では答え合わせです!
正解はずばり『併せて』です。
並行して確認をしてほしいという意味なので、
『併せて』になるわけですね(*^-^*)
まとめ
いかがでしたか?
『併せて』と『合わせて』の違いと意味、
マスターできたでしょうか?
『併せて』は異なる2つ以上のものを
一緒にするという意味。
英語のmixに近く、
一緒にしたり並べたりというイメージです。
『合わせて』は
2つ以上のものをくっつけるという意味。
英語のfitに近く、
くっつけたり一致させたりというイメージです。
公用文では、
- 「一致させる」という意味の動詞⇒合わせて
- 「並行して」という意味の副詞⇒併せて
- 接続詞の場合⇒あわせて
と使い分けられています。
日常生活でよく言う
「こちらも合わせてご確認ください」は
「並行して確認してほしい」という意味なので、
『併せて』と書きます。
迷ったときは「一致させる」「並行して」に
置き換えてみると、わかりやすいですよ(*^-^*)