『体』と『身体』と『躰』。
どれも「カラダ」と読みますが、
この3つの言葉の違いをご存知でしょうか?
「漢字が難しくなっていくだけ?」
と思っちゃいますが、
実はそれぞれ微妙に意味が違います。
今回は
『体』と『身体』と』『躰』の違いについて
詳しく調べてみました。
- 体・身体・躰の違いとは?
- 「おからだに気を付けて」はどの字が正しい?
を詳しくお話しします。
手紙や年賀状で
「おからだにお気を付けて」と
よく書きますよね。
恥をかかないように、
正しい違いを覚えておきましょう!
体・身体・躰の違いとは?
『体』と『身体』と『躰』の違いはずばり!
- 常用漢字かどうか
- 人間かどうか
- どこの部分を指すのか
の3点です。
それぞれの意味から
詳しくみていきましょう!
1.体はどこの部分?
『体』は常用漢字で、
生き物や物体に広く使います。
どこの部分を指すかですが、人間の場合は
- 体全体
- 手足と頭を除いた胴体
の2つのどちらも意味します◎
しかしあくまでも物理的な意味しかなく、
心や精神は含みません。
- 常用漢字かどうか
⇒常用漢字 - 人間かどうか
⇒人間から動物や物も◎ - どこの部分を指すのか
⇒体全体。胴体。心は含まない
2.身体はどこの部分?
『身体』で「カラダ」と読むのは
常用漢字ではありません。
そのため公用文では『シンタイ』と読みます。
どこの部分を指すかは体よりも狭く、
- 人間の身と心
の1つだけ◎
心や精神があるのは人間だけ
という昔の考え方から、
基本的には人間のみに使います。
『身体』も「身体を鍛える」のように
単独で使うことができます。
- 常用漢字かどうか
⇒「カラダ」読みは常用漢字外 - 人間かどうか
⇒人間のみ - どこの部分を指すのか
⇒人間の身と心
3.躰はどこの部分?
『躰』は常用漢字ではありません。
そのためあまりなじみがないと思いますが、
少なくとも平安時代から使われている
由緒正しい言葉です。
カラダという意味のほか、
「風体」「風情」という意味もあります。
そのためどこの部分を指すかは明確でなく、
- 広く物の体や雰囲気
を意味する言葉として使われています。
- 常用漢字かどうか
⇒常用漢字外 - 人間かどうか
⇒人間や生き物など広義 - どこの部分を指すのか
⇒体や物の風情など広義
「おからだに気を付けて」はどの字が正しい?
「カラダ」といえばよく使うのは
『おからだに気をつけて』ですよね。
年賀状やお手紙で便利な定型文ですが…
漢字はどれが正しいのでしょうか?
難しいのですが、一般的には
「お身体に気を付けて」がよく使われます。
心と身の両方の意味を持つ身体を使うことで、
「心身ともにご自愛ください」という気持ちを
伝えることができるわけです。
しかし、「お体に気を付けて」としても
間違いではありません。
年上の方や改まった場面では『身体』を、
友人や軽い場面では『体』を使えば
いいのではないでしょうか(^ ^)
まとめ
いかがでしたか?
『体』と『身体』と『躰』の違いは、
- 常用漢字かどうか
- 人間かどうか
- どこの部分を指すのか
の3点です。
体のみが常用漢字で、
身体と躰は常用漢字外です。
体と躰は人間以外にも使いますが、
身体は人間のみに使います。
またどの部分を指すかも異なっており、
- 体⇒体全体もしくは胴体
- 身体⇒心と身
- 躰⇒体や雰囲気
をそれぞれ意味します。
「おからだに気を付けて」と書くときの漢字は
「お身体に気を付けて」一般的です。
心と身の両方の意味を持つ身体を使うことで、
「心身ともにご自愛ください」という気持ちを
伝えることができるわけです。
しかし、「お体に気を付けて」としても
間違いではありません。
年上の方や改まった場面では『身体』を、
友人や軽い場面では『体』を使えば
いいのではないでしょうか(^ ^)