日本語というのは難しいもので、
外国人の方々からは、
似たような言葉なのに、意味が違うから難しい
とよく言われます。
そして私たち日本人でも、
完全には理解している人は少ないと思います。
そこで今回は似たような言葉として
『重傷・重症・重体・重篤の違い』について
調べてみました。
- 重傷・重症・重体・重篤の違いとは?
- 重傷・重症・重体・重篤の対義語とは?
- 消防・警察・マスコミによっては言葉が違う!理由とは?
- 重症には定義があるの?
について詳しくお話ししたいと思います。
実際の生活では
あまり使うことのない言葉ですが、
ニュースや新聞で
よく扱われている言葉でもあります。
知っているのと知らないのとでは
ニュースの理解度にも違いが出てきますので、
ここでしっかりと確認していきましょう!
重傷・重症・重体・重篤の違いとは?
事故や事件が起こり、犠牲者が出ると
タイトルに出ているものの
いずれかの状態で報道されています。
『怪我しちゃったんだ』
『そんなに悪いのか』
となんとなくはわかると思います。
そう、今回の4つの単語、
いずれも状態が悪い時のことを指します。
ですが、どれほどの状態かは
分かりづらいものです。
1つずつ順番にご紹介していきます。
1.重傷(じゅうしょう)とは?
では重傷から確認していきましょう。
重症とは
程度の重い傷。または大怪我のこと。
(引用元:コトバンク)
命には別状のない怪我を指します。
使用例は…
「事故で重傷を負う」
「全治2ヶ月の重傷」
この『重傷』は
病気では使用されず、
怪我に対してのみ使用される言葉です。
2.重症(じゅうしょう)とは?
次は重症です。
重症とは
- 病気やその症状が重いこと。
また、重い病気・症状のことで比喩的にも用いる。- 転じて、程度がはなはだしい状態。
(引用元:コトバンク)
使用例は…
「半年の入院が必要なほどの重症だ」
「今度の失恋は相当重症らしい」
「彼の収集癖も相当重症だな」
こちらに関しては病気・怪我
どちらに対しても使う言葉なのです。
3.重体(じゅうたい)とは?
さて、今までは命に別状ないものでしたが、
次からは命にか変わってくる程の状態を示す
言葉となっています。
重体とは
病気や負傷の程度が酷く、命の危険があること。
(引用元:コトバンク)
使用例は…
「意識不明の重体」
「重体に陥る」
相当危ない状態と言えますね…
4.重篤(じゅうとく) とは?
では最後に重篤についてです。
重篤とは
病状が著しく重いこと。
(引用元:コトバンク)
使用例は…
「症状が重篤になる」
「重篤な副作用を引き起こす」
一般的には知られていない言葉ですが、
病院等ではよく使われる言葉です。
予断を許さない状態の時に
この重篤という言葉が使われるようです。
重傷・重症・重体・重篤の対義語とは?
ではこの4つの単語の対義語って
あるんでしょうか?
それぞれ調べてみました。
重傷↔︎軽傷
怪我の程度が軽いこと。
重症↔︎軽症
交通事故によって負傷し、
30日以下の治療を要する場合
重体・重篤は対義語がありません。
あえていうならば「軽傷/軽症」が
当てはまるでしょう。
消防・警察・マスコミによっては言葉が違う!理由とは?
ここまでで、
『重傷』は怪我、『重症』は病気と怪我と
紹介していきました。
ですが、マスコミの報道にあるものの
ほとんどは『重傷』です。
本来なら『重症』も当てはまるはずなのに、
なぜ『重傷』と表記されるのでしょう。
これは『重傷』と『重症』の定義を
どこが定めているかによって異なるのです。
詳しくは次項で説明していきますが、
『重傷』は警察庁、『重症』は消防庁が
それぞれ定義しています。
警察の場合、事故現場などで見る被害者は
怪我人の状態のため、『重傷』が
使われるのですが、
消防(医療機関)の場合、
救急搬送された患者や入院患者の状態を
症状として捉えるので『重症』が
使われるのです。
そしてマスコミが報道をする際に
基とするのは警察からの発表…
だから、事故などで報道される際に
使われるのは『重傷』が多いんですね。
そして、マスコミが報道する中には
重傷・重体以外にも
心肺停止や死亡を知らせる報道もあります。
こちらの違いについては
以下の記事をご参照ください。
重症には定義があるの?
では上項でも触れました定義についてです。
重症って何を基準に
『重症』を言われるかご存知ですか?
重い病気には変わりませんが、
『重症』と呼ぶための定義があり、
まとめ
いかがでしたか?
意外と分かりづらかった
重傷・重症・重体・重篤の違い
お分かりいただけましたか?
- 重傷:
程度の重い傷。または大怪我のこと。 - 重症:
病気やその症状が重いこと。 - 重体:
病気や負傷の程度が酷く、命の危険があること。 - 重篤:
病状が著しく重いこと。
重度の順に並べると
重傷・重症<重体<重篤
となります。
どちらにしても状態は良くないので、
できればそうなりたくはないですね(汗)
他にも同じような言葉の違いについての
記事もあります。
どちらも自分や相手が負傷していることを
示している言葉ですが、違いがあります。
せっかくなので、こちらの言葉も確認して
より区別ができるようになっちゃいましょう!