『押印』と『捺印』と『押捺』。
なんとなくよく使う言葉ですが、
正しい違いや使い分け方をご存知ですか?
「え?全部印鑑を押すことじゃん?」
と思うかもしれませんが、
実はびみょーな違いがあるのです(;^^)
そこで今回は
押印・捺印・押捺の違いをご紹介します。
- 押印・捺印・押捺の違いとは?
- 正しく使い分けるポイントとは?
について詳しくお話しします。
行政書士の私としては
社会一般の言葉と法的な言葉が違うのも
ちょっと気になるところです。
プチ雑学としてでも、
ぜひ覚えて帰ってくださいね(*^-^*)
押印・捺印・押捺の違いとは?
押印・捺印・押捺の違いはずばり!
- なにを押すのか
の1点です。
「印鑑じゃないの?」と驚きましたか?(^^)
実は印鑑以外を押すという意味の言葉も
含まれているのです。
それぞれの意味を詳しくみていきましょう。
1.押印(おういん)とは?
まずは押印からです。
押印を辞書で調べてみると、
印を押すこと。捺印(なついん)。
(引用元:コトバンク)
とあります。
押印=捺印なんですね◎
どうして同じ意味の言葉が
2つもあるのかというと、
その答えは常用漢字にあります。
捺印の「捺」は常用漢字ではないため、
簡単な「押」が使った「押印」が
使われるようになりました。
押印の法的な意味
押印と捺印は同じ意味ですが、
法律では「押印」が使われています。
常用漢字でみんなが読みやすいので、
「押印」が使われるようになったのです。
これに対して一般社会では
なじみのある「捺印」がよく使われています。
そのため役所などで
「署名押印ください」と言われたときに
少し戸惑う方が多いんですね。
そんなときは迷わず、
『署名捺印のことだな』と思ってOK◎
自分で名前を書いて、印鑑を押しましょう。
2.捺印(なついん)とは?
次は捺印ですが、
先ほどもお話しした通り捺印=押印です。
つまり印を押すことですね。
捺の字は小学校で習わないため、
より簡単な押印が使われるようになりました。
しかし一般社会では、
捺印のほうがよく使われていますし
なじみがあるのではないでしょうか(^^)
3.押捺(おうなつ)とは?
最後に押捺をみてみましょう。
押捺を辞書で調べてみると、
判などを押すこと。捺印。押印。
(引用元:コトバンク)
とあります。
ここで注目してほしいのは、
『判など…』となっているところです。
そう!押捺は押印・捺印と違って
印鑑以外のものを押すときにも使うのです◎
印鑑のほかに指紋を押すときに
「押捺」が使われています。
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- 押印:印を押すこと。法律上はこちらを使う。
- 捺印:印を押すこと。一般的にはこちら。
- 押捺:印や指紋を押すこと。
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正しく使い分けるポイントとは?
押印・捺印・押捺を正しく使い分けるポイントは
なにを押すのかの1点です。
- 印鑑を押す場合→押印・捺印
- 印鑑や指紋を押す場合→押捺
と使い分けましょう。
押印と捺印はどちらを使ってもOKですが、
どちらかといえば一般的な捺印がおすすめです◎
法律職の人と話すときや役所などでは
『押印』と言っても大丈夫ですが、
一般的には伝わらないかもしれませんからね(;^^)
まとめ
いかがでしたか?
『押印』『捺印』『押捺』の違いは、
- なにを押すのか
の1点です。
それぞれの意味は
- 押印:印を押すこと。法律上はこちらを使う。
- 捺印:印を押すこと。一般的にはこちら。
- 押捺:印や指紋を押すこと。
となっています。
捺印の「捺」の字は常用漢字ではないため、
簡単な「押」を使った「押印」が
使われるようになりました。
そのため法律上は「押印」が主流ですが、
社会では「捺印」のほうが一般的です。
役所などで「署名押印を」と言われても
「えっ?」とびっくりしないでくださいね。
「署名捺印」のこととまったく同じなので、
自分の名前を書いて横に印鑑を押しましょう。
押印・捺印・押捺の使い分けのポイントは、
なにを押すのかという1点だけ◎
印鑑を押す場合は押印か捺印を、
それ以外の指紋などを押す場合は押捺を
使えばOKです。